Ziggy Films '70s
バードシット

19歳のハロルド(バッド・コート)は今日も“自殺”を演じる。自殺の真似ごとは彼の生活の一部だった。広大な邸宅、欲しいものは何でも手に入る大金持ちの一人息子の彼は、上流階級意識もあらわな教育熱心の母親(ヴィヴィアン・ピックルズ)や軍人である叔父(チャールズ・タイナー)に代表される体制に、いまや自殺の演技で抗議するのだった。応接間で首つりをしたり、母親のバスルームでのどや手首を切って血の海にひたったり−母親が青くなればなるほど、彼は満足感を味わっていた。

彼の愛車は霊柩車。 それを運転してさまざまな葬式に出席する。ある日、いつものように他人の葬式に出席しているともう一人の風変わりな傍観者に気づいた。79歳のおばあちゃん、モード(ルース・ゴードン)である。彼女は突拍子のないところがあり、いたずら好きで、生きることの喜びに満ちたチャーミングな女性だった。モードに興味をひかれたハロルドは廃棄された鉄道車両に住む彼女を尋ねた。友達の彫刻家グローカス(シリル・キューザック)のためにモードがヌード・モデルになっているのに驚くハロルド。そんなハロルドにおかまいなく、彼女は活動的に動き回り、音楽の素晴らしさを教えたのだった。

一方ハロルドの将来を心配する母親は息子を落ち着かせるために結婚させようと、コンピューターによる紹介サービスに依頼して、霊柩車も処分し、かっこいいジャガーを買い与えた。たが、ハロルドはすぐさまジャガーを霊柩車に戻して対抗した。コンピューターが選んだ最初のデイト相手は女学生のキャンディ(ジュディ・エングルズ)だった。しかし彼が体に灯油をかけて火をつけたため、悲鳴を上げて逃げてしまった。2番目も3番目も同じようにハロルドの狂言に驚き、逃げ出した。万策尽きた母親を冷たく見ながら、ハロルドはモードと一緒にいる楽しさを味わった。

ある夜、二人はカーニバルに行って遊ぶ。ハロルドはモードを深く愛していると告白した。二人はモードの車両に帰り、ピアノを弾き、ワルツを踊った。暖炉には日が燃え、二人はベッドに入った。翌日、ハロルドは母親にモードの写真を見せ、モードと結婚すると宣言した。母親、叔父、はては牧師まで反対してわめきたてた。しかしハロルドはガンとして耳をかさなかった。だが、ハロルドを驚かせたのはモードだった。80歳の誕生日を迎えた日、二人だけのパーティで幸せに浸っている時、モードはこんなに素晴らしい別れはないと睡眠剤を飲んで自殺を図る。あわてて病院へ連れて行き、モードの回復を祈るハロルド。だが、ハロルドの願いはかなわなかった。

モードのいない翌朝、彼は泣きながら霊柩車を崖下に落下させた。崖の上でハロルドはモードからもらったバンジョーで“モードのワルツ”を弾く。いま、ハロルドは生きる自信を全身に感じて歩みだした。

7月3日(土)より 『バード★シット』
7月17日(土)より『ハロルドとモード/少年は虹を渡る』
新宿武蔵野館にて2作品連続ロードショー
その他、全国順次ロードショー 詳細はこちら

配給/日本スカイウェイ、アダンソニア    配給協力/コミュニティシネマセンター     宣伝/メゾン

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